1993年4月22日木曜日

<1993/4/22>



新婚旅行最終日。胃グスリを飲んで寝たので朝からはなんとか復活。この旅行のなかでは胃腸に負担がかかることが多かったのか、胃腸薬が一番活躍し た。最終日の今日は終日フリーデイ。とはいっても明日の朝は5:30にホテルでピックアップというスケジュールなので、今夜のうちに荷作りをちゃんと終え て、早寝しないと体がもたない。
さて、今日の予定は国立考古学博物館である。ホテルからだと、パナピスティミウ通り、パティシオン通りを歩いて20分くらい。博物館にいくだけが目 的だったらバスかタクシーを使うところだが、途中で靴を買うつもりなので店の並ぶパナピスティミウ通りを歩く。
パナピスティミウ通りは科学アカデミー、アテネ大学、国立図書館がならぶ通り。パナピスティミウというのは大学を意味するそうだ。アカデミーの前庭 には、ソクラテスとプラトンの像があり、建物の屋上のイオニア風の柱の上には、向かって右に竪琴をもったアポロン、左には剣と盾を持ったアテナの像が立 つ。国立図書館は入り口の左右にカーブした階段をもつ優美な建物なのだが、やたらとハトが多くて汚れている。
靴屋のウインドウを物色しながら歩く、いろいろ迷ったあげくにとりあえず履いてみることにする。中に入ると店内には一切靴の展示がない。国内の靴屋 だったら店内いっぱいに靴が並んでいるところだが、お国柄の差なんだろうか。表のウインドウで見て、中では試着するだけらしい。通勤用と普段履くのと二足 を買う。これで、下駄箱の中でも多少なりとも私の靴の存在感が出てくるだろう。それでも、4対1くらいで HIROKO の靴の方が幅をきかせている。
目的地の国立考古学博物館は、広い前庭を持った建物。入って右側にチケット売り場があり、カタコトの日本語で挨拶してくれる。左側には手荷物預かり 所 があり、余計な物は預けてしまってゆっくりと見てまわれる。写真撮影もOKなので、カメラ片手に展示室に入る。海外の美術館というのは、どこでも撮影OK なんだろうか。かつて行ったシカゴの近代美術館も写真撮りほうだいで、モネやルノワールの原画の写真を撮ったなと思う。
展示室は全部で56室。どうあがいたって一日で見てまわれる量ではない。世界史の教科書でみただけの作品を生で見ることができるのは、なかなか感動 ものである。こういうのを見てから歴史のお勉強をすれば、もっと興味も持てるのだろうになぁ。ポセイドン、アテナ、アポロン、パンなど、筋肉の緊張してい るところと、 リラックスしているところが実にリアル。馬に乗った少年のブロンズ像は、特に躍動感いっぱい。アルカイック・スマイルの像からウルトラマンを思い出すの は、 ちょっと不謹慎かな。さすがに後半はちょっと食傷気味だったが、とにかく圧倒的なボリュームで、一つの国によくもこれだけの文化遺産が残っている物だと感 心させられた。
あとはプラカで最後のお買い物をして、予定はすべて終了。夕食はミトロポレオス大聖堂近くの店でサンドイッチ、私はビール、 HIROKO はチンザノを飲む。明日は4:30には起きなきゃならない。豆腐屋の朝とまではいわないが、パン屋の朝くらいには匹敵するのではないだろうか。帰りの飛行 機と日本で空港に着いてからすぐにいるものを除いてパッキングを終え就寝。21:00。

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