1993年4月23日金曜日

<1993/4/23>



  • 帰国の日
朝5:30にピックアップ、起床はなんと4:30。ほとんど魚河岸の買い出しの時刻である。毎朝3時に営業を開始する、早起きの鰻屋「大巳」の鰻は 売り切れているかもしれないが、新聞少年のアルバイトくらいは勤まるかもしれないという時間だ。
アテネの空港やピレウスの港とホテルの移動で、何度となくお世話になったタクシーが今日もお出迎え、「カリメーラ(グッドモーニング)」とご挨拶で ある。ギリシャ滞在期間中に覚えたのは、「カリメーラ、カリスペーラ、カリニフタ」のみっつだけ。それぞれ「グッドモーニング、グッドアフタヌーン、グッ ドナイト」である。
アテネ・エリニコン東空港を7:30テイクオフで、ローマ着は8:30。オレンジジュース、クッキー、紅茶、ピーナッツを買って、残ったドラクマを 使い切る。残しておいても日本円には両替できないのは何故なんだろう。空港でローマからの帰りのアリタリア航空は12:30発なので、かなりの余裕。 デューティーフリーを物色する。
アリタリア1782便は超満員。立錐の余地のないくらい乗客がつまっている。特にわれわれの乗った51A、B席より後ろは、ほとんどの席を日本人観光客の団体が占拠している。アリタリア航空と日本航空の共同運行便ということで、日本人スチュワーデスも三名乗務、なんとなく安心気分である。ローマ・レ オナルドダビンチ空港を12:30発。13:15には、ミラノ・マルペンサ空港到着。50分のメンテナンス作業後に成田へ向かう。出発予定は14:05、乗務員はここで全員交代ということ。
マルペンサ空港到着後一時間経過、機長のアナウンスがはいる。イタリア語、英語、日本語の順番なのだが、イタリア語のアナウンスの中で「プロプレムがど~のこ~の」という言葉。それが英語アナウンスでは「due to the technical reason」になり、日本語では「機体整備のため」という表現になる。とにかく機内で二十分ばかり待て、というアナウンス。
十分経過。結局飛行機を降りて空港ロビーで待つことになる。紫色のトランジットチケットをもらって、空港ロビーへ。ここぞとばかりにデューティーフリーで買い物をする人々もあったりして、皆けっこう図太い。スチュワーデスに聞いても「私たちにも情報が入らないんですよぉ」というばかりで、客も乗務員 も不安顔である。
  • ミラノ 空港ロビー
7番ゲート付近は、アリタリア1782便に乗ってきた人々で満員である。15:45発の予定が16:35発に延びて、みな不満顔でいっぱい。マルペンサは小さな空港なので、代わりにちょっと近くの飛行機を使うというわけにもいかないし、隣の空港から代替機をもってくるにも時間がかかりすぎることだろう。 とすればローマから乗ってきた機体のメンテナンスの終了を待つばかり。
こんなに待ち時間が長いのだったら、ちょっとジュースかコーヒーを飲んで時間つぶしをしたい所だが、いかんせんリラは小銭まで使い切ってしまったし、円で払うわけにもいかない。なにより困ったのはトイレで、日本では珍しい有料トイレもここでは当たり前。入り口にイスを置いて、おばさんが待ち構えて いる。結局思い切って、わずかに残っていたドラクマを50円分くらいわたすと「ぐら~っちぇ」といって入れてくれた。なるほど、ヨーロッパではいろんな国 の人々が行き来するのだから、通貨もどこのでも通じるものなのかと納得。
アナウンスが流れる度に、今度こそアリタリア1782便の情報かとロビーに緊張感が走る。結局待つこと三時間、やっと搭乗のアナウンスが流れた。こんなに待たせるのだったら、ちょっとくらい空港の外に出させてくれたらミラノ見物ができたのに。
ともあれ12時間のフライトで、やっと成田到着。帰りの飛行機のなかでは、機内のブランド物販売にも走ることなく、ひたすら休息タイムとした。成田に着いたのは4/24の12:00、本来だったら朝一番に到着するはずのところだ。荷物を宅配便で送るてはずを整えてから、羽田に移動するためのエアポー トリムジンに乗る。
伊丹着は夕方の16:15。バスで梅田まで戻った所で、お寿司で夕食。日本に帰って来たら日本食を食べる、なんてのはすっかり定番のパターンだと思っていたら、自分がそんな行動をとっているのはいささか滑稽でもある。
まわった国はイタリア、ギリシャのふたつだけ、ゆったりとしたスケジュールでフリーデイを十分にとった旅行だったが、やはり帰りつくころには疲れも溜まっている。私にとっては仕事で行ったシカゴ以来、五年ぶり二回目の海外旅行。何よりもミコノスの島が印象に残っている。ヨーロッパというと、ロンドン、パリ、デュッセルドルフなんてのが定番コースであるけど、それはまた次の機会で結婚何周年かでいくことにしよう。ギリシャを選んだのは大正解だった。 エーゲの海には、またいつか訪れてみたい。

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